②やさしいことをふかく

 むずかしいことをやさしくすることができたら,次には,そのやさしいことを深く掘り下げろというのですから,これは,ますます難易度をましていく過程をたどることになります.

 まず,むずかしいことをやさしく述べるには,そのむずかしさのなかに含まれている本質的事象をきちんと理解し,それをわかりやすくもみほぐし,やさしい言葉で表現しなおす必要があります.

 これは,その事象の本質を理解していないとできない作業であり,その最初のむずかしさは,その本質を理解することそのものなのです.

 マイクロバブルの本質は何か,これは他のバブルとの比較の根拠になります.また,マイクロバブルと称していても,私のいう「本物マイクロバブル」との違いは何かを明らかにするときに役立ちます.

 このマイクロバブルの特徴をやさしくいうと,そのマイクロサイズの気泡の大半がより小さくなり,その過程で,負電位を増大させながら自発光し,さらには,それが生物活性をもたらすことにあります.

 これが基本であり,ここからの遊離や背反は,亜流の理論や技術となります.

 さて,この本質的な物理化学的特性が明らかになってきますと,そのひとつひとつを深く追求することができるようになります.

 なぜ,収縮するのか,なぜ,負電位を増し,自発光するのか,そして最大の問題は,生物細胞がなぜ反応するのか,これらの本質的問題に結び付いて,よりふかく考察することが重要になります.

 すなわち,やさしくいう作業は,本質的な事象に付随していることであり,それがゆえに,ふかく考察することも不可欠になっていくのです.

 ですから,マイクロバブルのことをやさしくいおうとすればするほど,その本質を深く考え,さらにやさしく表現できるようにするという考察が必然的に促されていくのです.

 幸いなことに,マイクロバブルの場合には,その奥底にきわめてすぐれた物理化学的特性を有していましたので,よりふかく考えることを必要としたのです.

 「マイクロバブルであれば何でも同じである」,「マイクロバブルよりもナノバブルが優れている」,「マイクロバブルであれば何でもできる」,このような類の主張は,大概の場合,そこに深さがありません.

 ですから,出ては消え,出ては消えの泡のようになってしまうのです.

 この「泡」の様を見て,かの有名な鴨長明は,その『方丈記』の冒頭で,「うたかた」の「はかなさ」を表現しました.

 「やさしくふかく」は,その本質を見抜いて考えよ,そしてより「やさしく述べよ」といっているような気がします(つづく).

Jellyfish