「植物プランクトンから、バイオエネルギーを製造することができるようになった」という発明・発明は、じつに素晴らしいものです。

 その成就によって、すなわち、発明からイノベーションに発展することによって、新たなエネルギーが生まれるというのですから、この話は、第一級の優秀性を有しているといえます。

 私、その後も、いろいろな方々のご指摘や示唆を受け、その勉強を重ねていて、「むずかしいことをやさしく」勉強する過程の真っただ中にいます。

 勉強をしながら、いろいろなことを考える、しかし、その勉強が浅いために、よく理解が進みませんので、「やさしいことをおもしろく」する段階にはいまだ到達していません。

 しかし、「丸い地球の水平線」の向こうに、「何かがきっと待っている」のではないかという思いをかすかに浮かべはじめていますが、いまだその向こうには、お先真っ暗な海が見えるだけです。

 振り返れば、今回の主人公である植物プランクトンとは、長い「付き合い」をしてきました。「付き合い」というよりか、実際には、「格闘を行ってきた」といったほうがよいかもしれません。

 光、酸素、栄養、この3つが揃うと、水表面近くには、大量の植物プランクトンが発生します。どこに行っても、水域が緑色になるのは、この植物プランクトンが大量発生しているからです。

 栄養が増えれば、さらに植物プランクトンは増え続け、自分でも制御できないようになります。こうして発生するのが「赤潮」であり、淡水域では、それは「淡水赤潮」と呼ばれています。

 そして、この植物プランクトンは常に発生し続けますが、同時に、その寿命が短いので、すぐに死んでしまい、それが水域の底に沈み、腐ることでヘドロ化が進行します。

 こうして、大規模なヘドロの再生産システムが働き、自然水域が病んでいくのです。

 この範囲では、植物プランクトンは水質汚濁の当事者であり、生物を育てるという観点からは厄介者でしかありません。

 しかも、条件さえそろえば、大量にしかもとめどもなく発生し続けるものです。これを、除去する、粉砕して殺す、絶滅させるために、いろいろなアイデアが考えられてきましたが、いまだ、それに対抗して打ち勝つ有効な方策は見出されていません。

 ですから、厄介物が厄介者であり続けてきたのです。

 ところが、その厄介者のなかに、油を生み出すというちょっと変わった品種があり、それを純粋培養することで、バイオ燃料として立派に成り立つようになったというのですから、これは、「ブレイクスルー」が起こりつつあることといえます。

  その「変わり種」が、地球を救うかもしれないというのですから、こんなおもしろく、心浮き立つ話はありません。

 とにかく、この「0から1」が成し遂げられたわけですから、その次は、「1から100」、「100から1000」へと、いかに発展させるかが重要な問題になりつつあるようです。

 先日のテレビ放映では、アメリカをはじめ、世界中が、この開発で競争を始めているようで、まさに、先陣を争う戦いが繰り広げられているようでした。

 しかし、肝心の相手は、自然界に存在する特殊な藻です。これをいかに効率よく育て上げ、その目的を成就するか、ここには、越えなければならない「壁」がいくつもあるようです。

 まずは、この壁について、初歩から勉強を重ねる必要があるように思いますが、その道のりは気が遠くなるほど長いようです。

 みなさんも興味がおありでしたら、いろいろと勉強されてみてください。  国の根幹にかかわるエネルギー問題ですので、非常に重要な課題といえます。

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