マイクロバブルの優れた物理化学的特性と独創的な機能性の発揮、これらをきちんと理解し、それが常識化されていくには、これからも長い年月が必要と思われます。

 これは、マイクロバブルであれば、何でも同じ、あるいは、高速せん断方式であれば、いずれのマイクロバブルも同じとする考え方に陥ることであり、この考え方には、少なくない無理があります。

 なぜなら、マイクロバブルであることをいいさえすれば、あるいは、マイクロバブルであることを示しさえすれば、自動的にマイクロバブルの機能性が発揮されると考えてしまうところに問題があるからです。

 これでは、マイクロバブルという入口を通過すれば、その機能性という出口は、自動的に決まってしまうということになります。

 しかし、実際に求められることは、その機能性であって、それが十分に発揮されることで、出口の効果が認められることなのです。

 簡単にいえば、マイクロバブルが、その設定された目的に適って役立たなければ何の意味もありません。

 お風呂であれば、身体の健康が改善され、それが毎日実感できるものでなければなりません。

 また、植物工場であれば、その成長が抜群で格別においしい野菜であること、さらに、それを売ることで十分に採算が大前提となります。

 さらに、食品であれば、それがよく売れ、コンクールに出せば、日本一、世界一になれるものが望ましいといえます。

 それから、産業分野においては、その企業に取り入れられ、何らかのイノベーションが実現できることが要求されます。

 同時に、その要求に応じて、装置の開発が不断に続けられる、それが実現されることが最高のものといえるでしょう。

 こう考えますと、マイクロバブルの発生装置は、その卵がやっとできたのに過ぎず、それがどのように孵化するかはこれからの問題なのです。

 そして、その時に、マイクロバブルに関する本物技術の真価が試されるのです。

 現に、私は、ある用途に応じたマイクロバブル発生装置のシステムのいくつかを開発中であり、そこには、これまでのマイクロバブル技術の粋がちりばめられています。

 それに、マイクロバブル技術の適用分野が途方もなく広いだけに、それだけ、その技術開発の課題も広くて深いといえます。

 満二周年を記念して、その思いを新たにしているこのごろです。

 おもしろい、マイクロバブル技術の開発をまじめに、そして「ゆかいに」やっていくこと、楽しいマイクロバブル人生を形成できるとよいですね。


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