H君とともに、農園づくり(実際には、「小さな植物工場づくり」といった方がよいのかもしれません)が徐々に進展しています。

 何事も修行が必要なのでしょうか、少しずつ、マイクロバブルによる野菜づくりを理解しはじめています。

 それに、H君がひたむきに取り組んでくれていますので、周りの学生や私も、毎日支援をするようになって、彼を中心にして自前の野菜づくり談義についてもにぎわっています。

 「この野菜は、あっちの水槽に移そうか? この花はきれいに咲いたね」

 こういうと、H君は、静かにうなづくだけですが、それでも、毎日、「ああしよう、こうしよう」と動いていますので、結構、それが楽しいようです。

 そのH君に、私は、次のようにいうことが増えました。

 「これは研究だから、これまでの常識にとらわれず、大胆に、いろいろなものを試してみることが大切です。今度は、何に挑戦したらよいかを考えてください」

 こういうと、やはりH君は、うれしそうにうなづくだけですが、ますます「やる気」になっていくようです。

 そこで、昨日のブログに、植物工場に関するテレビ番組の感想について書かせていただきましたが、これを観させていただいて、私のなかには、次のような精神がむくむくと湧いてきました。

 「実質の価格差で約6倍も違う、これが現実であれば、それを変えなければならない。どうすれば、その現実を揺り動かすことができるか。これを真剣に検討しなければならない」

 こう思って、さっそく、緑と赤のレタスの種を買いました。

 これまで、種から育てることについては試みたことがありませんでしたので、よい機会に恵まれました。こらからどうなるか、いろいろ試させていただきます。

 さて、H君が熱心に取り組んでいる農園づくり、野菜や花の数も30近くになり、その彩りを期待する一方で、乗り越えていかなければならない問題がいくつかあります。

 その第一は、その個別の植物に応じた栽培法を新たに確立することにあります。これには、未知の問題がいくつも含まれていますので、それらを細心の気持ちで確かめる必要があります。

 第二は、その成果を実用段階にまで、いかに高めるかについて検討することです。

 第三は、それらの科学的観察とデータの蓄積を行うことです。

 そして、第四は、これが最後の難関ですが、高温栽培がどこまで可能になるか、これを明らかにすることです。

 これまでの経験からも明らかなことですが、生物は正直であり、よい条件を与えれば、それにふさわしい成長を遂げることできます。

 その成長条件をもっと広げることができるのではないか。これから、H君が挑戦してこじ開けていく扉ではないかと考えています。

 ところで、その扉の向こうには、何が待っているのでしょうか? なんだか、わくわくしてきますね!

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