すでに述べてきたように、これまでの養殖カキとマイクロバブル育ちのカキでは、驚くほどの顕著な差異が生まれました。一体、その原因は、どこにあったのでしょうか。

その探究は、マイクロバブルを供給したときのカキの観察から始まりました。

これに関係して、広島のカキ漁師が、「マイクロバブルでカキが大きく口を開けている」といい始めました。その口の開け方が、いつもと違って3倍大きいことを見つけたのです。

私も、現地で、この開口を幾度となく観察し、このカキの反応には、何かがあると直感しました。

もともとカキは、非常に用心深く、このように大きく口を開けることはありません。なぜなら、大きく口を開けていると魚から食われてしまうからであり、普段は約1.5~2㎜しか口を開けません。

それから、口を開けていても何かの衝撃や振動を受けると口をつぐみ、数時間以上も口を開けないのだそうでした。

ところが、この開口においてありえないことが起きていたのでした。マイクロバブルの開口実験を水槽で行ったときのカキの様子を示します。



このように、大きく口を開けますので、中の様子がよく見えます。

このカキを棒で突いてみました。通常のカキですと、数時間を経過しないと再開口することはありません。ところが、このカキにおいては、30秒もするとすぐに再開口しました。

何度となく突いてみては、この再開口現象を観察しましたが、その度に、同じ開口がすぐに起こりました。

「なぜ? なぜであろうか?」

どうして、このように大きく口を開けるのであろうか? またまた、大きな疑問が持ち上がってきました。

この開口の様子を観て、なんと気持ちよく口を開けているのか、と感嘆し、その気持ちのよさをカキに聞いて見たいとさえ思ったこともありました。

しかし、このカキの開口の謎は、いまだに解けていません。おそらく、貝柱が柔らかくなり、その筋肉が弛緩することで自然に開いたのではないかと推測していますが、そのしっかりした確証は得られていません(注(1)参照)。

このカキの開口を継続して観察しているうちに、さらに吃驚するような現象が見出されました。

それは、マイクロバブルを定期的に与えることによって、みるみるうちにカキが大きく成長し始めたことでした(つづく)。


注(1):このマイクロバブルによる筋肉柔化、弛緩現象は、マイクロバブル風呂において日常的に確かめることができます。硬くて冷たくなっている筋肉にマイクロバブルを当てると、それが簡単に柔らかくなります。この柔化現象には、単なる温熱効果ではない、マイクロバブル固有の作用が働いていることが明らかになっています。おそらく、カキだけでなく、私たちもマイクロバブルの「ここちよさ」を味わうことができるのだと思います。